FXは世界各国の通貨を取引します。
戦う相手を知ることも戦術のひとつであるように、それぞれの通貨の特徴を知ることはテクニカル・ファンダメンタルズの両面でとても役立つものです。
通貨の特徴
国が違えば言葉や文化も異なるように、それぞれの国の通貨が持つ特徴も変わります。
私も通貨の歴史や特徴を知ってからチャートが見やすくなったり、政治・経済ニュースを聞いて値動きを想定しやすくなったりと、トレードが向上するきっかけとなりました。
自分が取引する通貨をよく知るのは大事ですのでチェックしましょう☺
為替市場の主役「USD(米ドル)」
世界最大の経済大国であるがゆえ、FXで最も取引量が多く、投機目的の売買だけでなく貿易時の決済のために米ドルを必要とする実需も多い通貨です。
『「ドルストレート」と「クロス円」値動きが優しいor難しいのはどっち?』でもお話したように、米ドルは主軸通貨なので、FXにある通貨すべての値動きに関わります。
これだけ大きく影響を及ぼすため、市場の注目を集めるのはアメリカ関連の政治・経済ニュースや指標が多く、FXをする上で米ドルの動向を無視することはできません。
第2の基軸通貨「EUR(ユーロ)」
EU(欧州連合)は、欧州統合を目指すために構築されました。現在27の加盟国によって構成されており、そのうちの19カ国が共通通貨としてユーロを採用しています。
世界第2位の経済大国ですが、イタリアやギリシャといった南欧諸国が財政危機を起こしてユーロの信頼感が危ぶまれ大きく売り込まれたことも。
取引量も多いため値動きも活発であり、ユーロ圏の経済指標や金融政策への注目度もアメリカには敵わないものの、大きな影響力があり、注目を集めます。

安全資産として人気「JPY(日本円)」
私たちがお馴染みの日本は世界第3位(単一国家としては第2位)の経済大国であり、米ドルやユーロほどではないですが、世界の為替市場での取引も多い通貨です。
円は、政治経済を始め、テロや紛争といったネガティブな出来事が起こった際に、相場がリスクオフ状態になったときに、安全資産として買われることが多々あります。
なぜ円が避難通貨とされるのかは諸説ありますが、
- 世界の主要通貨のひとつで流動性が高い
- 保有資産のレパトリが起こる
- 他国に比べて大きな事件が起こりにくい
こと、が一般的に挙げられます。
値動きが激しい「GBP(ポンド)」
ポンドは、大英帝国時代から第二次世界大戦直後までは基軸通貨として活躍しましたが経済の衰退とともに、米ドルに基軸通貨の地位を奪われた…という苦い過去があります。
とはいえ、現在でも世界第4位の経済大国で、投資の歴史が最も古い国であるため投資のビッグプレイヤーが多く、ロンドン時間に入った途端にFX相場が荒れることは有名です。
ポンドは、米ドルやユーロに比べて流通量が少ないため投機の対象になりやすく、大きく上昇したり下降したり、「殺人通貨」と異名を持つほど値動きが激しい面があります。
まとめ
ひとえに「通貨」といっても、どの国の通貨かによって、世界から期待されている役割や持たれている印象、注目度はまったく異なるんですね。
そしてこれらの特徴が違えば、日々の値動きも変わってきます。ぜひチャートを見たりニュースを聞いたりするときには、これらの特徴を思い出してみてくださいね。
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