FX相場を左右するのが、各国が実施する“金融政策”です。
相場を根底から大きく動かすものであり、ファンダメンタルズのほとんどはこの政策への思惑を中心に動いていると言っても過言ではないほど、重要なものになっています。
中央銀行が「インフレで利上げ」「デフレで利下げ」をする理由
中央銀行の大事な責務のひとつが、“通貨の安定”を図るために、
- インフレを抑制するために利上げ
- デフレを抑制するために利下げ
という金融政策を行なうことです。
金融政策や利上げ・利下げについては、『 相場を大きく動かす!最強の経済指標“金融政策”を解説』で解説していますので、ご存知ない方はご覧くださいませ🍀
インフレになると利上げをする理由
インフレーションは、「物の値段が上がり続けること」です。
好景気になると、企業が儲かり、人々の給料は増えて、さまざまな買い物をするので物の価格が上がり、また企業が儲かり、人々の給料が…と、お金が世の中に溢れます。
一見すると素敵なことですが、価格の上昇を抑制しないとどうなるでしょうか。
極端な例ですが、一杯100円だったカフェのコーヒーが、一杯1,000円になり、一杯10,000円になり、一杯100,000円になり…と、どんどん値段が上がっていきます。
ただその分、給料も上がるので、一杯100円だった頃と同じ感覚で買える経済状況です。

このようなインフレによる通貨の崩壊を防ぐために、物価の上昇が一定以上を超えたら、中央銀行は金利を上げて、人々がお金を使わないように経済を抑制するんです。
ですので金利を上げることは、“金融引き締め”とも呼ばれます。
デフレになると利下げをする理由
デフレーションは、「物の値段が下がり続けること」です。
景気が悪くなり、企業の売り上げが落ちると、人々の給料は減り、買い物を控えるようになると物が売れずにあまるので、企業は少しでも売ろうと値段を下げます。
これにより企業の儲けはさらに減り、人々の給料はさらに少なくなり、ますます買い物をしなくなり、物の値段と収入が減り続けるという、大不況に陥るんです。

このようなデフレによる大不況を防ぐために、物価の下降が一定以上を超えたら、中央銀行は金利を下げて、人々にお金を使ってもらうように経済を循環させるんです。
ですので金利を下げることは、“金融緩和”とも呼ばれます。
インフレやデフレについては、『 どんな現象?通貨の価値を歪ませる“インフレ・デフレ”とは』でも深掘りしていますので、ぜひ合わせてご覧にください🌸
まとめ
『すべては○○を先読みするため!経済指標が“注目される”理由』でお伝えしたように、経済指標はすべてはこの金融政策を先読みするためのもの。
なぜインフレやデフレで金融政策が行われるかがわかると、日々発表される指標から


と読み解いてファンダメンタルズの分析に活かしやすくなります。ぜひ覚えましょう☺
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