私たちにとって円絡みの通貨は馴染みがあり、取引にも率先して選びたくなりますよね。
しかし「USD/JPY」以外の「◯◯/JPY」がついている通貨は「クロス円」と呼ばれる一癖ある通貨で、トレーダーとしては絶対に知っておかないといけない知識です。
この仕組みを理解せずに取引をすると「なんだか値動きがおかしい…」と悩むことにもつながりますので、今日は「クロス円」について解説していきますね。
クロス円とは
通貨ペアの内、米ドル以外の外国通貨と日本円のペアを「クロス円」といいます。
- EUR/JPY
- GBP/JPY
- AUD/JPY
- NZD/JPY
etc...と、様々な通貨と日本円の組み合わせがありますが、これらはすべてクロス円です。

クロス円の仕組み
世界の基軸通貨は米ドルなので、米ドル以外の通貨と日本円を取引する際には、「円で米ドルを買い、米ドルで別の通貨を買う」ことになります。

この手間を省くため、米ドル以外の通貨と日本円の取引では、それぞれの値段を掛け合わせる(クロスさせる)ことによってレートを算出します。
クロス円の計算方法
クロス円の求めかたはとても簡単です😊 ユーロ円を例に出すと、「ドル円」と「ユーロドル」を掛け合わせることで「ユーロ円」が算出できます。
USD/JPY 112.960-75、EUR/USD 1.13319-37 の場合であれば、
(EUR/USD)×(USD/JPY)=EUR/JPY
EUR/JPY=128.00-128.04
となるんですね。
ただ、いちいち計算をしなくてもレートで勝手に出ているので大丈夫です🐱✨
クロス円の注意点
上述したように「ドル円と他国の通貨の掛け合わせ」であるクロス円は、単純なドルストレートとは異なる注意点があります。
スプレッドが広め
クロス円の価格は計算によって導き出されており手間は省かれていますが、実質的には「円で米ドルを買い→米ドルで他国の通貨を買う」という面は変わりません。
そのためクロス円を売買する際には、ユーロ円を例に出すと
EUR/USD
USD/JPY
と2回の取引をしていることになるので、2回分の手数料がかかるんです。ゆえに、クロス円はどうしてもスプレッドが高めになるデメリットがあります。
値動きが激しくなりやすい
通貨同士を掛け合わせているクロス円は、ふたつの通貨ペアの影響を受けます。
両方の強弱が揃えば爆益となりますが、一方が上がって一方が下がれば、お互いに上下で引っ張り合いになり、上下に値動きの激しい悪い相場環境となることも…。
クロス円はドルストレート同士の掛け合わせなので、取引する際には、ユーロ円であれば「EUR/USDとUSD/JPYがどう動きそうか」の動向も注視することが大切です。
クロス円の値動きの見方については、『 爆益or損切りの嵐!クロス円の“入るべき時”と“入ってはいけない時”』で深掘りしていますので、ご存知ない方はご覧になってみてくださいね。
まとめ
クロス円は、単純に「◯◯/JPY」という単独の通貨があるわけではなく、「USD/JPY」と「◯◯/USD」とそれぞれの通貨の組み合わせなんですね。
日本円絡みの通貨は種類も豊富ですし、うまくいけば大きな利益になるのがクロス円ですので、これらの仕組みを理解して上手に使って、稼いでいきましょう😊🍀
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