経済指標で発表された結果が「+」の数値で良かったから上昇すると思ったのに、市場は、まったく無反応だったり、逆に下降してしまったり…。

と頭にハテナが浮かんだことがある人もいるはずです。
実は、経済指標の発表時の見方や動きは、結果そのものを素直に見ればいいわけではなく、値動きを読むコツがあるのでご紹介しますね。
経済指標は「予想」と「実際の数値」の差に注目
経済指標では、良い結果がでれば上がり、悪い結果がでれば下がります。
ただ、経済指標の「良い結果」「悪い結果」とは、「+」や「−」といった発表された結果そのものの数値ではなく、“予想”と“結果”との数値の乖離により決まるんです。
どういったことかというと、
- 予想よりも結果が良ければ買われやすい(ポジティブサプライズ)
- 予想よりも結果が悪ければ売られやすい(ネガティブサプライズ)
といったことが起こります。
プラスやマイナスかは関係ない!
例を出してみてみましょう。
予想が「+3%」だったのに、結果が「+1%」では、たとえ「+」であっても、予想の数値よりも低いので悪い結果としてネガティブサプライズで売られる。
予想が「-3%」だったのに、結果が「-1%」では、たとえ「−」であっても、予想の数値よりも高いので良い結果としてポジティブサプライズで買われる。
このようなことになるんですね。
国の真の経済状況を見るのは「結果の推移」
ただ、発表時は「予想と結果の差」で動きますが、その国の経済が良くなっているか悪くなっているか、という真のファンダメンタルズは「実際の数値の推移」に注目です。
『すべては○○を先読みするため!経済指標が“注目される”理由』でもお伝えしているように、経済指標はその国の景気を読み、金融政策が実行されるか占う上で大事なもの。
例えば、
- 1ヶ月目は予想が「+3%」で結果が「+1%」で売られる
- 2ヶ月目は予想が「+5%」で結果が「+3%」で売られる
- 3ヶ月目は予想が「+7%」で結果が「+5%」で売られる
とを繰り返していても、実際の結果はずっと+で数値も上がっているので、景気が良くなっているのを見られて、利上げが近いと考えられることもあります。
このように実際の国の経済状態は、経済指標の予想と結果の差ではなく、実際の数値が上昇しているか下降しているかを見ながら景気の流れを読み取っていきましょう。
まとめ
経済指標の発表時は、予想と結果の差によって動きやすいんですね。ぜひこの見方を覚えて、数値が発表された時の動きを目で追ってみてください。
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