FXは根本的な原理としては、大きなレンジの中で動いているので、“たとえ含み損になっても、いつかは建値にまで戻る”とも言われています。
投資家にとって損切りは嫌なものですから、こんな夢のような言葉を聞くと、

と頭に浮かんでしまいがちですので、この説を検証していきます😊
建値に戻るのを信じて「損切りをしない」のが危険な理由

冒頭でお話したように、FXは大きな目で見ればずっとレンジの中にいます。
例えばドル円であれば、147円と75円という価格帯の中におり、厳密に見ればこの最高値と最安値の間でジグザグと動いているだけです。
ただ、147円から75円のレンジの中にはいますが、147円は1998年から約20年間、75円は2012年から約10年間、一度も価格が戻っていません。
1998年はまだFXがない時代なので、さすがに過去を遡りすぎですが…。
2012年に関してはFXが流行している真っ只中で、下降トレンドでどんどん安値を更新するのを見て75円でショートを売っており、損切りをしなかったら…。
その後に上昇反転して125円まで行っているので5000pipsもの含み損に耐えないといけず、もし耐えれたとしても現在まで価格は戻っていないので約10年間は塩漬けのまま。
現に、この75円台から売りをしており、多額の損失になり諦めて損切りをして資金を失ったり、いつか戻ると信じて保有を続けていたりする方も少なくないと言われています。
直近の値動きでも見てみよう!

直近は124円の高値と101円の高値の中におり、レンジになっていますね。そこまで大きな値幅とは言えませんが、どうでしょうか。
124円は2015年に一度つけてから現在まで5年間価格が戻っていません。またその前を遡ると、2007年につけてから2015年に価格が帰ってくるまで8年越しです。
101円も同様に、2016年に一度つけてから2020年に価格が戻るまで4年の歳月がかかっています。とても長いですね😢
価格はすぐには戻ってこない
“たとえ含み損になっても、いつかは建値にまで戻る”は、「いつかは戻ってくるかもしれませんが、価格はすぐには戻ってこないこともある」と言えます。

と思うかもしれませんが、どこが高値や安値になるかは誰にもわかりません。
125円で買った人たちはあれだけ上昇するのを見て「もっともっと上がる」、101円で売った人たちはあれだけ下降するのを見て「もっともっと下がる」と思ったものです。
FXは一寸先は闇ですので、数年後、もしくは二度と戻らない高値や安値で売買して途方に暮れることがないように、その都度きちんと損切りをしていきましょう。
まとめ
今回はわかりやすく年単位で見ていきましたが、もっと小さな時間軸に落とし込んだとしても、数週間や数ヶ月間もの間、価格が戻ってこないことは多々あります。
その間はどこまでも増えていく含み損を見て不安な気持ちのまま過ごさねばならず、最悪はロスカットといった資金をすべて失うことにもつながります。
FXにおいて「いつか戻るかも」はとても危険な考えですので、控えるようにしましょう。
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